施工事例
台町の家
所在地 | 千葉県千葉市 |
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主要用途 | 一戸建て住宅 |
構造・階数 | 木造 2階建て |
竣工年月 | 2002年12月 |
敷地面積 | 198.10 m² |
延べ床面積 | 122.59 m² |
施工業者 | (株)みくに建築 |
備 考 | 家族構成(夫婦) |
お客様のご要望
敷地はJRの最寄り駅から300m程でありながら、1区画約60坪で区画され、2階建が建ち並ぶ比較的ゆったりとした住宅地にあります。南西隣地の1区画には地域の防火貯水槽が設けられた広場があり、区画としてはかなり恵まれた環境でした。 当初は築30年になる木造2階建の住宅がありました。小割りにされた個室配置ゆえの使い勝手の悪さと日当たり・通風の悪さ、2階にある物干し場と納戸と化した使わない子供部屋、これらは共に還暦をすぎたご夫婦にとって住み続けることは耐えられないことでした。それだけに、必要十分な部屋と心にゆとりのもてる‘夫婦2人だけの住まい’が要求されました。そこで‘敷地周辺環境と共存し、自然を感じられる体にやさしい住まい’を最大のテーマとしました。
コンセプト
全体構成
中2階がありますが空間的には木造平屋建です。隣の広場と一体化するように、緑があるオープンスペースとしてニワを確保しました。そしてエン、デッキ(物干場)という縁側空間を介して日頃いるヒロマと就寝の場を設けました。入口はエンに連続したニワ側からアプローチするので、ここを訪れる人は緑の中を通ってアプローチすることになります。 内部空間は、パブリックスペースとプライベートスペースの2ブロック構成としています。
パブリックスペース
パブリック部分は天井高さ3.5mの大きなワンルーム空間です。つづきのマは御夫人の趣味であるニットソーイングの場で、いつも親しい友人達が数人集まるため収納を兼ねたベンチを造り付けました。中2階のザシキは、車庫スペースの上部となっている故、この家で唯一床のレベル差がありますが、床座でくつろげ多目的に使用出来る場となっています。これらのの空間は2種類のスクリーンで時と場に応じて仕切ることが可能です。1つは、視線は閉じるが光は通す明かり障子で、ホビールームにはヒロマと入口側から柔らかい自然光が入り込みます。もう1つはザシキの境にあるひもを利用したスライドカーテンで、閉じてもわずかに視線を通し、光だけでなく外の緑や風を微妙に感じることが出来ます。この2つのスクリーンはいずれも開放すれば、互いの場がレベル差を伴った延長空間として連続し、またそれぞれの場を介して外部のニワ、ツボニワ、広場の緑を望むことが出来ます。緑好きで住まいのどこからでも緑に接したいというご主人の願いを叶えることが出来ました。
プライベートスペース
プライベート部分の天井高は低い部分で2.1mとし、屋根のレベルを押さえることによって、パブリック部分との段差にハイサイドライトを設け、そこから朝日の導入も可能になりました。水廻り(便所、洗面、浴室)は、トップライトから入り込む自然光で常に明るく、また回遊形式としたことで空間の効率化と家事作業の負担軽減を図っています。このように空間構成を工夫することにより、光や風、緑、香りなど自然を取り込むことが可能になりました。
素材
毎日を過ごす住まいには工業製品で造られた「人工建材」でなく、できるだけ体に優しい自然材料を使用したいと思います。屋内の床は天然のコルク、石とタタミ、壁は無垢の木と珪藻土、ガラス戸なども無垢の木製としました。道路に面する外壁は、22条地域でも可能な難燃性の木製サイディングを一部使用しています。