施工事例
SUZ-A
所在地 | 東京都江東区 |
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主要用途 | 共同住宅 |
構造・階数 | 鉄筋コンクリート造+鉄骨造 地下1階〜地上6階 |
竣工年月 | 1989年7月 |
敷地面積 | 124.10 m² |
延べ床面積 | 427.60 m² |
施工業者 | (株)共同計画 |
備 考 | 世帯数(16世帯) |
環境
東京都江東区にあるこの敷地は、100mほど北側を高架の首都高速が走り、産業道路が西側を走っているため、大型トラック、トレーラーの往来が激しく、騒音、振動ともに居住者にとって悪条件の重なる場所である。幸い東側は4〜5階建ての公団住宅となっており緑のあるのが唯一の救いでもある。
構成
社員寮であるが、施主からの要望としてワンルームマンションの形式として各自に管理を行わせること、一部所帯持ちの社員が使えるようにすることなどが持ち上がった。また必要な部屋数を確保するとひと部屋当りの面積がかなり小さくなるため、各部屋のボリュームは高さで補うこととした。実際に天井高を2.7m程度とった効果は十分にあり、平面が小さな点をカバーすることができた。洗濯はコインランドリー方式とし、各部屋の洗濯機のスペースを稼いでいる。各住戸に十分な広さがないため最上階の南側を共用のラウンジとし、仕事の終わった社員がくつろげるスペースとしている。また洗濯室をラウンジの脇に配置しているので洗濯、乾燥の待ち時間もそこで過ごせる。
ラウンジ
都会のマンションではなかなか味わえない開放的な空間としてみた。開放感がありながらそこそこのプライバシーが保たれているのは、脇を走る産業道路、東側の団地のスペース、ある程度の高さがあることなどが要因であろう。くつろぎながらラウンジから下を行き交う車を眺めているのも、またなかなか楽しいものだ。ラウンジの天井となるヴォールト屋根は屋上の一部をも覆い、さらに同じ形状でテント屋根へと変化していく。ラウンジから屋上にかけては内部—外部の中間領域となるスペースを多く設け、多様な空間が感じられるように工夫してある。5階から屋上へはラウンジの中にある階段か、べランダにつく螺旋階段で登ることができるが、外部につく螺旋階段はあくまで補助的なものである。夕方、階段とラウンジのライトが点灯すると、無味乾燥とした産業道路の脇にぽっかりと黄色い屋根と階段が浮かび上がる。